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2025/11/01

日本と台湾におけるマンション駐車場の違い

日本の分譲マンションにおける駐車場は、建物の「共用部分」に該当するのが一般的です。区分所有者は、管理組合を通じて駐車区画の使用権を得る仕組みであり、法的には「所有」ではなく「使用」にあたります。

実際の運用では、申込順や抽選によって区画が割り当てられ、使用者は月々の駐車場使用料を支払います。区画そのものを個人の所有物として登記することはできず、マンション全体の管理規約に基づいて利用が許可される形です。
このため、駐車場の利用は居住者全体の調整が必要であり、例えば区画を他人に転貸したり、売買の対象としたりすることは原則認められません。いわば「共有物を一時的に専用利用している状態」が日本の仕組みです。

 

一方、台湾では考え方が根本的に異なります。マンションの駐車場(車位)は、建物の附属施設であるにもかかわらず、独立した不動産(専有部分)として登記可能です。各区画には個別の登記番号が割り当てられ、所有者名義・面積・所在が明確に記載されます。したがって、車位は住戸と同様に売買・譲渡・相続・担保設定が可能であり、まさに「資産」として扱われます。


台湾の新築分譲では、建設会社が「1戸につき1車位以上の購入」を義務づけるケースが多く、販売時点で部屋と車位をセットにして契約するのが通例です。中古市場においても、車位だけを単独で売買することが可能で、需要の高い都市部では1区画が数百万台湾元に達することも珍しくありません。

さらに、車位所有者は第三者に賃貸することも自由であり、月額賃料による安定した収益を得ることもできます。このように、日本では駐車場が「共用部分の使用権」として管理的な側面を持つのに対し、台湾では「所有権を伴う独立資産」としての性格が強く、法制度・運用実態の両面で大きな違いがあります。どちらが優れているという話ではなく、都市構造・土地制度・車社会の成熟度といった背景の違いから、それぞれ独自の仕組みが形成されたと言えるでしょう。


海外の不動産投資を検討する際には、こうした権利構造の違いを理解しておくことが、リスク回避と適正な資産評価のために極めて重要です。